講習会のメモ。
日程
9:00 ~ 16:40
内容
・受付
・衛生法規
(休憩)
・公衆衛生学
・食品衛生学Ⅰ
・食品衛生学Ⅱ
・修了証交付
「衛生責任者ハンドブック第2版」がテキスト。
講師は食品衛生監視員OB,自治体の保健所生活衛生課の方。
【衛生法規】
・代表的な法律は「食品安全基本法」(平成15年施行)と「食品衛生法」(昭和22年制定。平成15年改正)
・「すべての国民の健康を守るためにー」国家法と自治法がある
・飲食店を開業しようとする場合、自治法「食品衛生法施行細則」「食品衛生に関する条例施行規則」が主に該当。これは都道府県によって内容は微妙に異なる(ようだ)
・2018年1月に大きく食品衛生法が変わる。施設基準や指定業種、製造と販売の区分についても変更がある(らしい)。A基準B基準が設けられるようだ。小規模飲食店はB基準(になる)
・近年、食品廃棄物や異物混入、家族構成の変化、トクホなど健康補助食品や社会のニーズなど食に関する認識が大きく変化しており、食品衛生に関わる環境が大きく変化したことから、それらに対応する事項が盛り込まれると考えられる。
【公衆衛生学】
・公衆衛生の視標 ~ 年齢階級別の人口の割合、出生率と死亡率
公衆衛生は衛生水準のバロメーターであり、医療・文化・教育・環境など国民の意識が高いとされる。
・環境衛生 ~ 飲料水管理、廃棄物処理、衛生害虫の駆除
清潔な環境を整える。ダンボールは調理室に持ち込まない。
・作業環境における健康管理 ~ 健康管理、健康状態の把握、作業前チェック
年1回の健康診断、定期的な検便
【食品衛生学Ⅰ】
食中毒予防と衛生管理 ~ 微生物のよる予防原則は「つけない・増やさない・殺す」
つけない(汚染防止、洗浄、清潔)
増やさない(増殖抑制、低温管理、迅速)
殺す(殺菌、毒素破壊、十分な加熱)
・食中毒の分類
・食中毒の発生状況 ~ 飲食店が69%、家庭9%、給食施設6%
・主な食中毒とその他の健康被害
◎細菌性食中毒
・サルモネラ属菌 ~ 特に鶏卵の生食、卵液の取り扱いに注意
・腸炎ビブリオ ~ 販売流通時に魚介類の低温保存と真水での洗浄が重要
・カンピロバクター ~ 食肉、特に鶏肉の生食を避ける。生肉のに取り扱い注意
・黄色ブドウ球菌 ~ 指に化膿のある人は食品に直接触れない
・ボツリヌス菌 ~ 熱や化学物質に強い。毒素を生成させない
・ウエルシュ菌 ~ 前日調理を避け、加熱調理後は急冷、保存は低温
・病原大腸菌 ~ 食肉の加熱調理は中心部までおこなう
◎ウイルスによる食中毒 ~ 冬場に発生する
・二枚貝あ生食を避け、85~90℃、90秒間以上十分加熱する
・食材への2次汚染を避けるため、正しい手洗いと吐物処理
・食品中の化学物質
・最近の主な食品事故、事件の例
●従事者による衛生的な取り扱い ~ 被服の衛生、手洗いの重要性
・公衆衛生行政 ~ 保健所
特に「手洗い」は感染症予防のため重要。手洗いの方法のビデオを視聴。
【食品衛生学Ⅱ】
食品取り扱いの衛生管理
●食品の保存方法について
:水分、栄養、温度が整うと細菌は指数関数的に増殖
:1個の菌が24時間後には280兆個になる(20分ごとに増殖)
◎物理的処理による方法
・冷蔵・冷凍法 ~ 冷蔵0~10℃で保存、冷凍-15℃以下で保存
:10~45℃が菌が最も増殖する温度帯
:63℃以上でほとんどの菌が死滅
:冷凍しても菌は生きている。増殖が抑制されているだけ
:解凍は10℃以下の冷蔵庫で
:冷蔵庫冷凍庫の温度管理、定期的に温度を記録
・加熱殺菌(低温殺菌・超高温殺菌・レトルト殺菌)
:低温殺菌 63~65℃ 30分間 牛乳、酒、果汁など
:超高温殺菌 120~135℃ 2~3秒 牛乳
:レトルト殺菌 120℃ 4分間以上 (加圧)
:加熱温度は食品中心部の温度(ノロウイルス80℃1分以上、O157は75℃1分以上)
・乾燥法(脱水)
・脱酸素法 ~ 真空包装は間違い「脱気包装」のこと
・放射線放射
◎微生物処理による方法
・細菌、酵母の応用 ~ 味噌、しょうゆ、酒、チーズなど
・カビの応用 ~ 鰹節、チーズなど
◎化学的処理による方法
・食品添加物の使用
・食塩(塩蔵)や砂糖(砂糖漬け)の仕様
・酸の仕様(酢漬け)
◎総合的処理による方法
・くん煙法
・真空包装
●食品の腐敗 ~ 人間に有害な分解が「腐敗」、人間に有用な分解が「発酵」
●洗浄と消毒 ~ 逆性石けん液、次亜塩素酸ナトリウム
:逆性石けん液 消毒液のため洗浄力はほとんどない
長所 無臭・刺激性がなく殺菌力が強い
日光や温度で消毒力が変化しにくい
水によく溶ける
短所 ふつうの石けんと混ざると所独力がなくなる
有機物があると殺菌力が低下
金属を腐敗する
食品に使えない
ウイルスに効果が期待できない
:次亜塩素酸ナトリウム 食品添加物に指定、食品に使用できる
原液は塩素濃度6%、2Lペットボトル容器にキャップ1(約5ml)
長所 値段が安い
漂白、防臭作用を備える
毒性が少ない
ウイルスに効果がある
短所 日光や高温に不安定
刺激臭がする
金属を腐敗する
濃度が高いと繊維が傷みやすい
●器具・容器包装
●食品の表示
●施設・設備の衛生管理
●HACCP(ハサップ)による衛生管理
HACCPとは、1960年代NASAが宇宙飛行士の食事の安全性を確保するために開発された食品管理衛生システム「Hazard Analysis and Critical Control Point)」HA:危害要因分析、CCP:重要管理点。
製造工程中の重要な段階を連続的に監視することによって最終製品の安全性を担保するシステム。
平成7~8年から使われて言うというが一般には知られているとはいえない。
2018年から国際基準ともいわれるHACCPがベースとなるようだ。
「自主管理衛生システム」であり営業者が自らプランを作成し、定期的に検証する。
・苦情への対応
・食品による事故発生時の対策 ~ まずは保健所に届け出
・営業にかかる手続き ~ 営業許可、変更・承継・廃業の届け出
以上。主な受講内容。
つづく。