先日再読した『パンの世界』からのメモです。
・発酵食としてのパン
乳酸菌の大切さ ~ 酵母が糖分を分解してアルコール発酵をするのを助ける。乳酸菌そのものもアルコール発酵。乳酸発酵で乳酸や酢酸を生み出す。これにより腸内環境を整え病原体から身体を守る
・消化吸収 ~ パンは消化吸収がよい。米はいくら咀嚼しても完全につぶれない
・塩 ~ 発酵を遅らせる
グルテンの網目構造を強くする・炭酸ガスやアルコールを逃さない強いグルテンにする。塩は味というよりミネラルのバランス。
パンに入れるのは(どのパンでも) 2%
・モルトエキス ~ 発芽した大麦を煮だして抽出した麦芽糖の濃縮エキス(水で薄めて使用する)
デンプンを分解する酵素アミラーゼを大量に含む。
砂糖はパン生地を軟化させる。
・グルテン=タンパク質が多いとパンは膨らみやすい
パンに使用されるのはタンパク質量が12%以上の強力粉が多い
タンパク質含有量で分類するのはアメリカ式
8.5%以下は薄力粉
・粉は性質で使い分ける
食パンは型に入れ上にのばす ~ 北米産のタンパク質量の多いもの
フランスパン・バゲット・カンパーニュ ~ ヨーロッパ産
甘味、もっちりなどの特長を活かす ~ 国産
・小麦粉は産地、気候で出来が変わる
日照時間が長い ~ 光合成が多い、ミネラル(灰分)が少ない
日照時間が短い ~ 光合成が少ない、ミネラル(灰分)が多い
・灰分(かいぶん)
ミネラルは小麦を燃やすとデンプンとタンパク質は燃える。灰となって残る部分がミネラル。リン、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄など。
フランスの分類では、0.8%以上含まれると タイプ80は強力粉。
タイプ45=薄力粉
タイプ55=中力粉
たいぷ80=強力粉
タイプ150=全粒粉
サッカロマイセス属セルビシエ種の酵母菌で純粋培養された
・水について ~ 硬水
水によってパンの出来はかわる
フランス・パリの水道水の硬度 300mg
日本・東京の水道水の硬度 60mg
硬度は水1㍑あたりに溶け込んでいるミネラル分の量)
ミネラル分が多いとグルラニンの結合を進める。硬水が生地を強くし旨味を作り出す
・パンの区別 ~ フランス
パン 小麦粉・水・酵母・塩 でつくられたもの
ヴィエノワズリー 乳製品・卵・バターなどを含むパン
・パンの大きさ
パンは大きく焼くと水分がとびにくい
カンパーニュは1kgがベスト。酸味を出したいときには大きめに焼き、酸味を出したくない時には小さく焼く
・長時間発酵と低温発酵はセット
一般的な1次発酵の温度は、 20~30℃
シニフィアンシニフィエは、10~20℃がメイン(もっと低い温度帯も)
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高加水パンは水分を多く含むために乾燥しにくくパンの老化が遅いようです。
焼きあがってしばらくすると白いクラムがツヤツヤなのが見て取れます。
実は、常温で5日くらいおいてもおいしい!
もちろん季節や保存方法にもよると思います。
『パンの世界』では志賀シェフのパン修行の様子も書かれていて自分の時代と近いこともあり興味を持ちました。
フランス(?)のパン職人は掃除をしないのだとか。
掃除は掃除をする人の仕事だから、らしいのですが欧米の仕事に対する姿勢と日本のそれとは大きく異なることをあらためて感じます。
(掃除する人の仕事を奪う、という感覚もあるようです)
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